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湿疹は悪化することがある?

湿疹(皮膚炎)は皮膚に炎症を引き起こす疾患で、一時的に発症することもあれば慢性化することもあります。症状は非常に不快で、多くの人を悩ませています。それでもなお、湿疹は一般的に健康に重大なリスクを伴わない軽度の病気と考えられています。しかし、それは常に正しいのでしょうか?湿疹が悪化する可能性について、探ってみましょう。

まとめ
公開済み 2023年9月20日, アップデート 2025年8月5日, に ポーリーヌ, 化学エンジニア — 1分で読めます

湿疹とは

湿疹 とは、皮膚に炎症を起こす疾患で、赤みを帯びた斑点 が皮膚上に現れ、強いかゆみを伴います。湿疹には一種類だけでなくいくつかのタイプがあります。中でもよく見られるのがアトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎) です。この皮膚疾患は、一般的な環境要因に対してアレルギー反応を起こしやすい遺伝的体質(アトピー体質)を持つ人に発症します。アトピー性湿疹患者は皮膚バリア機能がうまく働かず、水分が表皮から蒸発しやすくなるため、アレルゲンが皮膚内に侵入しやすいのです。また、後天的に発症する湿疹も存在し、遺伝的な素因がない場合もあります。その場合は接触皮膚炎と呼ばれます。

湿疹のタイプを問わず、皮膚の病変は主に 4つの段階を経て進行します。まず病変部は赤く熱を帯び、ときに腫れ、かゆみを伴います。数時間後には、赤くなった部位に透明な液体を含む小さな水疱が現れ、かゆみは続きます。かきむしることで水疱が破れて、滲出液が出て皮膚が湿った状態になります。やがてかさぶたができて徐々に治癒へと向かいます。とはいえ、皮膚の治癒がうまく進まない場合や、症状が悪化することもあります。

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湿疹に合併症はある?

多くの場合、湿疹 は軽度の健康問題ですが、まれに合併症が生じることもあります。幸いにも、それらの合併症はまれであり、日々のちょっとした対策で予防することができます。合併症の一つに全身性湿疹 (紅皮症)が挙げられます。これは、湿疹の病変が体の広範囲に及ぶ状態で、最大で体表面積の90%を覆うこともあります。通常見られる赤みやかゆみに加え、むくみ(浮腫)を伴うこともあります。このような湿疹は 皮膚科的な緊急事態 とみなされ、場合によっては入院が必要になることもあります。

また、湿疹の病変 が開いて感染することもあります。ウイルス(単純ヘルペスウイルスなど)や細菌(黄色ブドウ球菌など)、真菌(カンジダ アルビカンス)といった病原体が傷口に入り込むと、合併症を引き起こす可能性があります。感染の原因となる微生物によっては、痛みを引き起こしたり、かゆみや赤みを悪化させることもあります。感染が疑われる場合には、皮膚科医の診察を受けることが不可欠であり、感染源を特定して適切な治療(真菌の場合は抗真菌薬、ウイルスの場合は抗ウイルス薬、細菌感染の場合は抗生物質)を処方してもらいましょう。

湿疹の合併症を予防するには?

湿疹の合併症は、日常的にいくつかの対策をとることで防ぐことができます。

  • 湿疹の症状が出ている部位を掻かないようにする

    掻きむしることで皮膚に損傷が生じ、それが細菌やウイルスの「侵入口」となってしまいます。たとえば、睡眠中に無意識に掻きむしるのを防ぐために、夜間に綿製手袋を着用する人もいます。また、爪を短く切っておくことも、誤って皮膚を傷つけないための良い方法です。そのほか、 温泉水、精油(エッセンシャルオイル)、冷却素材などの特定の成分 を使うことで、かゆみを和らげることができます。

  • 保湿剤を定期的に塗る

    皮膚からの水分蒸発を抑え、病原体やアレルゲンの侵入を防ぐために、 保湿ケア は少なくとも1日1回、特にシャワー後には必ず行うことが推奨されます。水には皮膚を乾燥させる作用があるためです。ただし、香料入りの保湿剤は避けるべきであり、湿疹の症状を悪化させる可能性があります。

  • 少しでも異常を感じた場合には、皮膚科医に相談する

    病変の変化が見られたり、湿疹が全身に広がっていると感じた場合には、躊躇せず医療専門家に相談することが大切です。医師は実際に湿疹が悪化しているかどうかを判断し、必要に応じて治療を処方します。早期に治療を始めれば始めるほど、合併症のリスクは少なくなります。

出典

  • GOLDENBERG G. & al. Eczema. The Mount Sinai Journal of Medicine (2011).

  • BORRADORI L. & al. Dermatologie et infections sexuellement transmissibles. Elsevier Masson (2017).

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