Effets tabac eczéma.

タバコは湿疹に影響を与える?

肺がんや心血管疾患、上部気道・消化管がんのリスク…タバコが健康に悪影響を及ぼすことは、もはや疑いようがありません。アトピー性皮膚炎のような炎症性皮膚疾患の発症率も、喫煙者や受動喫煙にさらされる人で増加していることが報告されています。では、タバコと湿疹(皮膚炎)の関係について、研究は具体的に何を示しているのでしょうか?

能動喫煙および受動喫煙は湿疹の発症にどのような影響を与える?

アトピー性皮膚炎と喫煙の関連性が明らかになったのは、比較的最近のことです。 喫煙者はアトピー性皮膚炎の有病率が高いことが示されています。さらに、研究結果にはばらつきがあるものの、受動喫煙(周囲のたばこの煙への曝露)にさらされている人々では、アトピー性皮膚炎の発症率が平均より高いことが報告されています。

  • 妊婦の能動喫煙および受動喫煙は、新生児の湿疹リスクを高める:
    世界中では約1.7%の女性が妊娠中に喫煙していると推定されています。研究によれば、妊娠中に受動喫煙にさらされることにより、子どもの湿疹の診断率が上がる可能性があるとされています。 ほとんどの研究が自己申告に基づいて行われている中、2008年のある研究では、臍帯血と母親の血液中のコチニン(ニコチンの代謝物で、半減期がニコチン(1~2時間)よりも長い(18~20時間))濃度を測定しました。調査の結果、非喫煙女性でも受動喫煙にさらされている女性はコチニンの値が高く、特に専業主婦の女性においては、就労女性よりも高い数値を示しました。このデータは、妊娠中の受動喫煙への曝露が、アトピー性皮膚炎の発症に関与する可能性を示しています。

    一方で、妊娠中あるいは授乳期の母親の能動喫煙ついては、湿疹の発症と明確に関連付ける結果は出ていません。ある研究では、妊婦の喫煙と子どもの湿疹発症との間に有意な相関は認められず、別の研究では、妊娠中に喫煙していた場合、むしろ子どもの湿疹リスクが低いとされる結果も出ています。したがって、決定的な結論を導くにはさらなる研究が必要です。 とはいえ、 妊娠中の喫煙が胎児にもたらす悪影響は数多く確認されており、特に小児喘息のリスク増加発症などが知られているため、現在のところは妊婦がタバコの煙との接触を極力避けるべきであるとするのが妥当です。

  • 親の喫煙は、子どもの湿疹発症のリスクを高める原因となる:
    2004年時点で、 世界の子どもの約40%が家庭内のタバコ煙にさらされていると推定されています。タバコの煙への曝露量とアトピー性皮膚炎の有病率には、有意な相関が認められています。ある研究では、親の喫煙(受動喫煙)がアトピー性皮膚炎、アレルギー感作、呼吸器アレルギー疾患に及ぼす影響を、アトピー素因の有無にかかわらず、6歳児1,669人を対象に調査しました。その結果、遺伝的にアトピーを発症しやすい子どもにおいて、湿疹の有病率は28%に達していました。

  • 手湿疹は、職場でも一般の人でも、喫煙によって悪化することがある:
    手湿疹は一般集人口にも広くみられる疾患ですが、特に高リスクな職業(美容師、歯科技工士、パン職人、工場労働者など)ではさらに多く見られます。 こうした職業環境では、アレルギー性や刺激性のある作業が多く、すでに皮膚バリアが損なわれやすい状況にありますが、そこにタバコが加わることで、皮膚への刺激が増し、回復も遅れることが示唆されています。研究によって結果はまちまちですが、日常的な喫煙と手湿疹の有病率、発症頻度、重症度との間に正の相関があるとしたものもあります。さらに、湿った環境や物理的刺激、化学物質に日常的に触れる労働者では、タバコによる悪影響が増幅される可能性があります。

多くの研究では、喫煙と湿疹の関連は、主に 成人および年長児でより多くみられます。この相関は、タバコ煙への長期的な曝露および曝露量に依存する傾向があり、時間の経過とともに湿疹を発症するリスクが高まることが示唆されています。

タバコは湿疹にどのように影響を及ぼすのでしょうか?

タバコが皮膚に直接的に与える影響はまだ完全には解明されていませんが、タバコの煙に含まれる活性酸素皮膚のバリア機能を低下させ、アレルゲンの体内侵入を助長することで、 湿疹の原因となると考えられています。また、タバコに含まれる化学物質 (ホルムアルデヒド、鉛、タール、ニコチンなど) は、微小循環を妨げることで皮膚の酸素供給を阻害し、傷の治癒を遅らせます。これは、損傷した皮膚における線維芽細胞の移動を抑制するためです。

また、タバコの煙は異常な免疫反応を誘発することも知られています。例えば、アレルギー反応に関与する白血球の一種である 好酸球のレの増加や、炎症性サイトカイン産生 (TNF-α、IL-6など)が促され、 これが皮膚のバリア機能に悪影響を与え、アトピー性皮膚炎のリスクを高めたり、湿疹の発症や悪化を促進したりすると考えられています。

例えば、タバコの煙に含まれる主要な化合物の一つであるベンゾピレンは、炎症を調節する働きがあります。2016年に行われた研究では、ベンゾピレンにさらされたマウスは、表皮における免疫受容体(AhR)のレベルが上昇し、ランゲルハンス細胞などの免疫細胞の移動や、炎症性サイトカイン(IL-5、IL-13、IL-17)の増加が確認されました。

喫煙したからといって必ずしもに湿疹を引き起こすわけではありません。一部の人々は、遺伝的要因 や個別の感受性により、タバコに対して皮膚反応を起こしやすいことがあります。湿疹は複雑な疾患であるため、あらゆる 要因 が相互に作用して発症や悪化に影響を与えている可能性があります。

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湿疹とタバコ:取るべき対策とは?

湿疹を患っている人にとっては、タバコを含むあらゆる潜在的なリスク要因を考慮することが、症状のより良い管理につながります。湿疹と喫煙との関連を明確にするためには、さらなる研究が必要ではありますが、喫煙を減らしたり禁煙することが、症状の悪化を防ぎ、治療効果を維持するのに役立つ可能性があることは疑いようがありません。

禁煙をサポートする治療法については、かかりつけの医師と相談してみてください。禁煙はご自身の健康だけでなく、周囲の人々を受動喫煙の害から守ることにもつながります。また、妊婦に対する禁煙は一貫して推奨されており、幼い子どもを受動喫煙から遠ざけることも、将来的にアトピー性皮膚炎の発症を抑えるための手段となり得ます。

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