湿疹（皮膚炎）慢性的な皮膚疾患であり、赤み、病変、かゆみを引き起こします。太陽光が湿疹に及ぼす影響については、多くの噂がありますが、科学的な研究は何を示しているのでしょうか？日光（紫外線）は湿疹の症状を和らげることができるのでしょうか？
ライブラリー
すべてのトピック
日光は湿疹を和らげることができる？
湿疹を患う人々は太陽に対する反応がそれぞれ異なります。 日光にさらされる春先から夏にかけて皮膚の状態が改善する人もいれば、病変が悪化する人もいます。これを光線過敏症（日光アレルギー）と呼びます。これは光アレルギーの一種であり、アレルゲンを含む物質と太陽の紫外線（UV）との交差反応によるものです。比較的まれですが、実際に起こることがあります。
湿疹患者には、 光線療法 が時に提案されます。この方法は紫外線を利用して、湿疹特有の赤みやかゆみを和らげるものです。多くの研究が湿疹に対する有益な効果を示しています。ある研究では、29人の子どもたちを12週間にわたり波長が限られたUVB（300-320nm）に定期的に曝露したところ、湿疹の重症度を測るSASSADスコア（Six Area Six Sign Atopic Dermatitis）が61％減少したことが報告されています。
太陽にあたるもう一つの利点は、日光が促進する ビタミンDの合成 があります。最近発表された研究によると、ビタミンDがカテリシジンという分子の産生を増加させます。カテリシジンは湿疹の皮膚にしばしば存在する黄色ブドウ球菌に対して対抗する働きを持っています。黄色ブドウ球菌は 湿疹の二次感染を引き起こし、重篤な結果を招くことがあります。ビタミンDはこれに対して 保護効果 を持ちます。さらに、ビタミンDは皮膚のバリア機能に必要なタンパク質の産生を促進し、乾燥や病原体の侵入を防ぎます。
あなたの肌タイプをたった4分でチェック。
皮膚科学に基づいた診断
で、あなたの肌にぴったりなスキンケアをご提案します。
湿疹と太陽：本当に良いアイデア？
前述のさまざまな要素を踏まえても、太陽が湿疹に及ぼす影響については判断が難しいです。光線療法は 直接の日光曝露とは異なるためです。日光にさらされる際は医療監視がありませんし、自然光の紫外線は光線療法で使われる波長帯よりもはるかに広範囲の波長を含みます。また、ビタミンDについても、日光曝露だけが唯一の摂取方法ではなく、サプリメントとして経口摂取も可能です。
最後に、太陽（日光）には利点がある一方で、皮膚にとって危険な場合もあります。シミ、メラノーマ（皮膚がん）、皮膚の早期たるみなどの皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。これらを回避するには、湿疹をお持ちの方でも同様に、UVAとUVBの両方を防ぐ広範囲スペクトルの日焼け止めを塗り、適切な保護をすることが重要です。肌を太陽から守るだけでなく、肌に栄養と潤いを与えるリッチなテクスチャーのクリームを選ぶと良いでしょう。
出典
TAYLOR A. & al. Narrowband ultraviolet B phototherapy in children with moderate-to-severe eczema: a comparative cohort study. The British Journal of Dermatology (2014).
PALMER D. Vitamin D and the Development of Atopic Eczema. Journal of Clinical Medicine (2015).
肌タイプ診断
自分の肌タイプと
お肌に合ったケアを調べましょう。
