目やまぶたの湿疹（眼瞼皮膚炎）：どのような対処法がある？

目やまぶたの湿疹は、遺伝的な素因やアトピー体質（花粉や動物の毛など、一般的な物質に反応しやすい体質）によって引き起こされることがあります。この場合は「アトピー性皮膚炎」と呼ばれます。一方、特定の刺激物質やアレルゲンに接触することで発症する場合もあります。この場合は「接触性皮膚炎」と呼ばれ、遺伝的な体質は関係しません。目やまぶたの湿疹の多くは、接触性皮膚炎です。この接触には直接的なものと間接的なものがあります。

• 直接的な接触

  刺激物やアレルゲンが直接目やまぶたに触れることでアレルギー反応が起こります。原因となるのは、目元用のクリームやシャンプー、ヘアカラーなどの衛生用品・美容製品であることが多いです。処方薬によっても引き起こされることがあり、点眼薬、コンタクトレンズ、眼軟膏などが該当します。

• 間接的な接触

  間接的な接触による目・まぶたの湿疹には、以下の4つのタイプがあります：

1. 手を介した湿疹：手で目をこすることによって発症します。原因となるのは、マニキュアやスキンケア製品、金属製品など、手で触れたアレルゲンです。

2. 空気中の物質による湿疹 : 空気中に漂うアレルゲン（花粉、動物の毛、ホコリ、香水など）により発症します。

3. 他人を介した湿疹 ：他人との接触によって発症します。例えば、髪を染めた親の髪の毛が子どものまぶたに触れることで湿疹を引き起こすケースなどがあります。

4. 光によって引き起こされる湿疹：日光に対して非常に敏感な体質の人が、日光にさらされることで目やまぶたに湿疹を発症します。

湿疹の原因となるアレルゲンへの接触後、すぐに反応が出るとは限りません。そのため、原因を突き止めるのが難しい場合があります。アレルゲンを特定するには、皮膚科・アレルギー科の専門医を受診することが推奨されます。

医師は、正確な診断を行うためにパッチテストなどの検査を提案してくれることがあります。アレルゲンが特定されたら、今後その物質との接触を可能な限り避けることが大切です。

再発を防ぐためにも、朝晩の洗顔には肌にやさしい自然由来の製品を使い、顔に触れる前には必ず手を洗うようにしましょう。これによりアレルゲンとの接触リスクを減らすことができます。

診察を受けた後、皮膚科医から抗炎症用のクリーム（ステロイド外用薬）が処方されることがあります。これらは、湿疹によるかゆみや炎症を抑えるための治療薬です。ただし、目元は非常に繊細なため、医師の指示なしに体の他の部位用のステロイドを使用しないようにしてください。

補助的に、保湿剤を使って、まぶたの薄い皮膚に潤いと栄養を与え、肌のバリア機能を強化することも有効です。これは、最低でも1日1回は使用することで効果が期待できます。

湿疹によるかゆみを和らげるためには、冷たい湿布をまぶたに当てるのも有効です。冷却はかゆみに対して効果的です。また、目元に温泉水をスプレーすることも一つの方法です。温泉水はミネラルや微量元素が豊富で、かゆみを和らげる効果が期待できます。