血管レーザーで毛細血管拡張症を除去できる？

血管治療用レーザーには、パルスダイレーザー、KTPレーザー、Nd:YAGレーザーの3種類があります。目的は、皮膚の異常の原因となっている血管を破壊することです。

• パルスダイレーザー： このレーザーは、約595 nmの波長によって赤い血管を標的とします。これは、酸素と結合したオキシヘモグロビンによく吸収されます。レーザーの光は、血管内の血液に含まれるオキシヘモグロビンに吸収され、関連する病変に関与する全ての血管を効果的に治療することができます。放射された光エネルギーは熱に変換され、毛細血管の壁を分解します。これにより、破壊したい血管を選択的に狙い治療することが可能になります。

  表皮のやけどを防ぐために冷却工程が必要で、しばしば冷却システムと併用されます。照射スポットの大きさやパルス持続時間は可変で、一般にパルス持続時間が短いほど細い血管に有効であり、パルス持続時間を延長すると拡張した血管（毛細血管拡張症）に効果的です。病変の状態によっては1回または複数回の治療セッションが必要となることがあります。 治療後には、時折点状出血や紫斑（あざ）が現れることがありますが、いずれも最終的には自然消失します。

• KTPレーザー： このレーザーは532 nmの波長を持ち、長めのパルスを用いて拡張した毛細血管に照射します。照射サイズは1.2 mmから10 mmまであり、広範囲の治療も効率的に行えます。重度の毛細血管拡張にも有効です。皮膚を保護・冷却するための専用ジェルの塗布が必要です。通常、酒さにおける毛細血管拡張症の改善には2〜6回の照射セッションが必要で、およそ60〜80％の改善が期待できます。施術後は軽度の赤みや軽度のむくみが最大6日間ほど持続することがあります。

• Nd-YAGレーザー： これは、ネオジムイオンでドープされたイットリウムアルミニウムガーネット（YAG）結晶からなる固体レーザーです。波長1,064 nmのビームを発し、皮膚に対する浸透性に優れています。長いパルス持続時間で照射され、紫色または青みがかった毛細血管拡張の治療に効果的です。このレーザー治療には通常2～3回のセッションが必要で、短期的な赤み（紅斑）、かゆみ、むくみ（浮腫）などの副作用が一般的にみられます。

レーザー治療は即効性があり、拡張し視覚的にも気になる不快な血管を瞬時に目立たなくし、持続的な効果をもたらします。この治療は赤みの度合いも複数段階にわたって軽減できます。さらに麻酔を必要としません。 ただし、毛細血管拡張症は慢性的な疾患であり、新たな拡張血管が時間の経過とともに形成される可能性があることに留意する必要があります。そのため、血管レーザー治療は持続的な効果が期待できる一方で、新しい血管を治療するための定期的なフォローアップセッションが必要になる場合があります。