脂漏性皮膚炎か湿疹か、どう見分ける？

脂漏性皮膚炎と湿疹の症状は似ており、両者を区別するのは簡単ではありません。どちらも赤く鱗状の斑点が皮膚や頭皮に現れます。しかし、原因や治療法が異なるため、混同しないことが重要です。

• 脂漏性皮膚炎と湿疹の見た目の違い

  一見すると脂漏性皮膚炎と湿疹の皮疹は同じに見えますが、細かな違いがあります。湿疹の赤い斑点は腫れていて鱗状で、一部に浸出液が出ることもあります。脂漏性皮膚炎は通常、赤く鱗状の斑点で、白色または黄色がかった剥離がみられます。特に頭皮の場合、脂漏性皮膚炎はふけとして現れることが多く、これは斑点にまとまった鱗屑です。

• 脂漏性皮膚炎と湿疹の発生部位の違い

  湿疹は体のほぼすべての部位（顔、胸、脚、口、まぶたなど）に現れる可能性がありますが、脂漏性皮膚炎はより限定的です。成人の場合、主に頭皮に現れ、時には鼻翼、眉毛、胸の中央部にも及びます。乳児では脂漏性皮膚炎は常に頭皮から始まり、最初は頭のてっぺん（泉門部）周辺に現れ、そこから耳や眉毛に広がることがあります。さらにお尻や皮膚のひだにも及ぶことがあります。
  
  ※補足：脂漏性皮膚炎は頭部とお尻の両方に同時に発症することがよくありますが、湿疹がこの二か所に同時に起こるのは非常に稀です。
  

• 湿疹と脂漏性皮膚炎の感覚の違い

  湿疹の発作は常に多少のかゆみを伴うのに対し、脂漏性皮膚炎は必ずしもそうではありません。持続的なかゆみがある場合は湿疹の可能性が高いです。また、湿疹患者の皮膚は発作間の期間も非常に乾燥していることが多く、これを「乾燥症」と呼びます。脂漏性皮膚炎の寛解期でも、影響を受けた皮膚は赤く刺激されていることが多いですが、必ずしも乾燥しているわけではありません。
  
  ※本記事はあくまで情報提供を目的としており、医療診断に代わるものではありません。湿疹か脂漏性皮膚炎か判断がつかない場合は、専門の医療機関を受診されることをおすすめします。