湿疹（皮膚炎）は、乳児、子ども、大人のいずれにも見られる炎症性の皮膚疾患です。原因は遺伝などの内的要因のほか、大気汚染やホコリといった外的要因が挙げられます。場合によっては湿疹が二次感染を起こし、合併症を引き起こすこともあります。そうなったとき、どのように対応すればいいのでしょうか？
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感染した湿疹のどのような見た目？
皮膚炎、いわゆる 湿疹は通常4つの典型的な段階を経て進行します。最初に、 赤く熱を持った斑点 が現れ、強いかゆみを引き起こします。数時間後には 小さな水疱 が現れ、かゆみが続きます。その後、 黄色っぽい小さなかさぶた ができ、数日で剥がれ落ちます。最終的に、赤く滑らかな病変部位が 小さな皮むけを伴いながら現れます。これらの病変は、やがて消える場合もあれば、異常な皮膚の乾燥を伴う慢性の形で残ることもあります。
ほとんどの場合、湿疹は健康に重大なリスクをもたらすものではありません。かゆみや皮膚の見た目の問題で生活の質に大きく影響することはありますが、命に関わるような疾患ではありません。しかし、湿疹が悪化し、より重篤な形に進行して感染を引き起こすことがあります。これは、激しい掻きむしりによって傷口が開いた場合などに起こります。手指が清潔でないことも多いため、感染が起こりやすくなるのです。よく見られる感染には、以下のようなものがあります：
単純ヘルペスウイルス ：湿疹の赤みに小さな水疱が伴う場合、ヘルペスウイルスによる感染が疑われます。その場合、抗ウイルス薬による治療が必要です。
黄色ブドウ球菌（Staphylococcus aureus）：この細菌による感染は、湿疹の拡大を促進し、治癒を困難にします。黄色い滲出液やかさぶたが見られるのが特徴で、この場合は抗生物質による治療が処方されます。
カンジダ・アルビカンス（Candida albicans）：この真菌は、湿疹の二次感染の原因となり、症状を悪化させることがあります。抗真菌薬の内服や外用により治療します。
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湿疹が感染した場合、どのように対処すべき？
感染性湿疹は 軽視すべきではなく、 多くの合併症を引き起こす可能性があり、重篤の場合には入院が必要になることもあります。このような事態を避けるには、いつもよりかゆみが強い、赤みのある斑点が増えている（全身性湿疹）、色が変わってきた、あるいは滲出液が出ているなどの症状に気づいた時点で、速やかに皮膚科医に相談することが不可欠です。感染の種類（細菌性・ウイルス性・真菌性など）に応じて、医師が適切な治療を処方してくれます。感染の治療後も、今後の再発や合併症を防ぐために、以下のような対応や注意が推奨されます。
医療の指示を守ること ：皮膚科医が処方する外用薬や内服薬（抗生物質、抗ウイルス薬など）は、必ず指示通りに使用することが大切です。ステロイド外用薬 は、慎重に扱われることが多く、使用量が少なすぎたり、使用のタイミングが遅れたりすることがあります。効果を最大限に引き出すためには、かゆみを感じ始めたり、赤みが出てきた段階で、すぐに使用することが重要です。
毎日の保湿ケア：湿疹を患う人の皮膚は常に乾燥しやすく（乾皮症）、その原因は皮膚のバリア機能が弱く、水分が蒸発しやすいためです。そのため、最低でも1日1回は保湿剤を塗ることが推奨されます。保湿剤は、表皮に保護膜を作り、皮膚のバリア機能の異常を補い、水分の損失を防ぎます。
できる限り掻かないようにすること：難しいことではありますが、掻いてしまうことで湿疹の病変部が開き、手に付着している細菌によって感染が生じることが多いため、掻くのを避けることが重要です。かゆみを和らげるためには、温泉水や一部のエッセンシャルオイル（ティーツリーオイル、真正ラベンダーなど）を使用することができます。これらには鎮静効果があり、かゆみを軽減する作用があります。
出典
GOLDENBERG G. 他. 湿疹. マウント・サイナイ医学ジャーナル （2011年）.
BORRADORI L. 他. 皮膚科および性感染症. Elsevier Masson (2017).
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