酒さは治療できる？

酒さは完全に治癒する疾患ではありませんが、皮膚の赤みや膿疱を軽減しすることで皮膚の見た目を改善するためのさまざまな治療法は存在します。また、適切な治療によって症状の進行を遅らせることも可能です。ただし、その効果が現れるまでには数週間かかることが多い点には注意が必要です。

酒さの治療法は、症状の重症度や疾患のステージに応じて異なります。治療効果は十分期待できますが、治療を中断すると症状は再発する傾向があります。そのため、治療効果を維持するには継続的な治療が推奨されます。

外用薬（塗り薬）

血管拡張型または丘疹膿疱型酒さに対しては、クリームやジェルの局所用外用薬の塗布が一般的に用いられます。これらの塗り薬には、血管収縮作用のあるブリモニジン、抗炎症作用のあるアゼライン酸やイベルメクチン、抗寄生虫作用のあるメトロニダゾールなどの有効成分が含まれています。

これらの外用薬は 予防的および治療的効果があり、酒さの急性増悪期（発作時）だけでなく、その後数週間にわたり毎日塗布することで、再発リスクを抑制します。

内服薬（飲み、薬）

酒さが広範囲に及ぶ場合や、眼にまで達した場合には、 テトラサイクリンなどの抗生物質を外用薬と併用して処方されることがあります。この抗生物質は、炎症を抑える作用があり、丘疹や膿疱を軽減させますが、赤みや拡張した小血管（毛細血管拡張症）には効果がありません。

この抗生物質は細菌のタンパク質合成を阻害することで、増殖を抑制します。光感受性があるため、治療中は紫外線への曝露を避け、日焼け止めを使うなどして肌を保護するよう心がけましょう。

「テトラサイクリン系抗生物質（シクリン）には抗炎症作用もあり、眼瞼にあるマイボーム腺の分泌を調整する働きがあります。マイボーム腺の機能障害は眼型酒さの原因の一つとされています。シクリンの使用ができない場合には、通常、細菌の増殖を抑えるマクロライド系抗生物質が処方されます。

外科的治療

酒さが進行して皮膚が著しく変形（肥厚型酒さ）した場合、外科的治療が必要になることがあります。処置は皮膚の肥厚や変形部を取り除く治療を行い、可能な限り自然な形の外観を再構築することを目的としています。皮膚表面の角質（死細胞）を削る皮膚研磨（ダーマブレーション）、皮膚移植 などが用いられます。

これらの レーザー治療・光治療 は、血管の拡張を抑制することで赤みや血管の目立ちを軽減します。これらの手法は主に血管拡張型酒さの治療に用いられます。施術後は治療部位が一時的にわずかに赤く腫れることがありますが、副作用は一般的に軽度です。