赤み、酒さ、毛細血管拡張症は、共通して「皮膚の赤さ」という症状を示します。この類似性のために、これらの皮膚疾患はしばしば混同されることがあります。では、では赤み、酒さ、毛細血管拡張症はどのように異なるのでしょうか?詳しく解説します。

赤み、酒さ、毛細血管拡張症:違いは何か?
赤み、酒さ(赤ら顔)、毛細血管拡張症の違いとは?
赤み、 酒さ 、毛細血管拡張症 はいずれも顔の赤みとして現れますが、この類似性にもかかわらず、本質的な違いがあります。
生理学的および病理学的な違い
赤み は 生理学的現象で、程度の差はあるものの、顔や体の他の部位が赤みを帯びることを指します。これは皮膚に血液を供給する毛細血管が真皮のレベルで過度に拡張し、血流が急激に増加することによるものです。赤みは通常、皮膚バリア機能が損なわれ、感覚神経が過敏になっている敏感肌でよくみられます。正常な肌では必ずしも赤みが現れないこともあります。
一方、赤みが生理的な現象であるのに対し、酒さ は慢性皮膚疾患であり、血管性、眼性、丘疹・膿疱性、肥厚性の4つの異なる形態で現れます。顔の赤みはこれら全てのタイプに共通する症状ですが、それ以外にもさまざまな症状が現れます。
毛細血管拡張症は 酒さの中で最も頻度の高い形態です。一時的(紅斑)または持続性(紅皮症)な赤みとともに、皮膚表面に赤または紫色の細い血管が現れ、肉眼で確認できる(毛細血管拡張)状態を指します。つまり、赤みは生理学的な皮膚の変化であるのに対し、酒さは皮膚疾患であり、毛細血管拡張症は酒さの一形態にあたります。
異なる症状の現れ方
赤みは肌が赤くなる形で現れます。正常な肌では赤みは数分で収まるのに対し、敏感肌では数日から数週間続くことがあります。
酒さや毛細血管拡張症の場合、一時的な赤み(紅斑)だけでなく、持続的なの赤み (紅皮症)もみられます。紅皮症は赤または紫色の細い血管が肉眼で確認できることも特徴として挙げられます。さらに、丘疹・膿疱性酒さと呼ばれる形態があり、赤みの他に、皮膚に炎症性病変が発生することが特徴で、通常は丘疹や膿疱といった炎症性の皮膚病変が現れます。これらの病変はしばしばニキビと誤認されます。
注 : 眼性酒さはときに皮膚症状より先に現れることがあります。症状としては結膜炎、目のかゆみ、まぶたの炎症(眼瞼炎)、目が涙目になること(結膜充血)、焼けるような感覚、異物感を伴う乾燥、光過敏(羞明)などが みられます。
赤みは生理的なものでもあるため、通常は皮膚の赤みだけが現れます。一方、酒さは疾患であるため、他の症状も伴い、患者の日常生活に支障をきたすことがあります。
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