酒さの場合に避けるべき食品とは？

酒さには内的な要因もいくつか存在しますが、外的要因によって発作が引き起こされることもあります。中でも食生活は、酒さ特有の症状である赤みやほてりの出現に影響を与えます。この皮膚疾患に悩まされている方は、以下の食品を避けることが推奨されます。

辛い食べ物

カプサイシンは、特に唐辛子、ピーマン、コショウなどに多く含まれる成分で、痛みのメカニズムに関与するTRVP1受容体を活性化させる可能性があります。この受容体の刺激により、PACAPやCGRPといった神経ペプチドが放出されます。これらのペプチドは血管に作用し、血管拡張を引き起こします。これが酒さに見られる赤みや持続的な紅斑の原因となります。これらの食品を摂取することで、 酒さに見られる炎症の進行 が促される可能性があり、さらに皮膚の刺激やほてりを悪化させることもあります。

アルコール飲料

アルコールの摂取 は毛細血管の拡張を引き起こし、それにより血管がより目立つようになります。この現象はときにほてりを伴います。アルコールに含まれるエタノールは血管拡張作用 を持ち、体内の熱を皮膚に向かって流れやすくするため、皮膚の温度が上昇します。

約80名を対象とした14年間にわたる研究では、アルコール摂取と酒さの間に、弱いながらも確かな相関関係があることが示されました。

熱い飲み物

紅茶、コーヒー、ホットチョコレートなど、非常に熱い状態での飲用は、酒さを患っている場合は推奨されません。ここで問題なのは飲み物そのものではなく、その温度であることを認識しましょう。非常に熱い飲み物を摂取すると血管が拡張し、それにより顔の赤みやほてりが引き起こされます。

乳製品

酒さ患者にとって乳製品の摂取は非常に議論の多いテーマです。科学的研究はこの点において相反する結果を示しており、ある研究では乳製品が酒さの発作を引き起こすとし、別の研究ではむしろ症状の緩和に寄与すると示唆されています。このような性質の背景にあるメカニズムはまだはっきりしていません。

脂質を多く含む食品

脂質の多い食生活は、皮膚の構造や健康に関与するセラミドの合成に不均衡を生じさせることが示されています。実際、飽和脂肪酸は、セラミド分泌に関与する酵素であるセリン-C-パルミトイルトランスフェラーゼ（SPT）の皮膚内でのレベルを低下させる原因となります。

セラミドは皮膚バリアを保護する皮膚バリアに属する脂質です。脂っこい食品を多く摂ることでこのバリアが弱まり、吹き出物といった肌トラブルや皮膚疾患を引き起こしやすくなります。いくつかの研究では、脂肪分の多い食べ物の過剰摂取が酒さの発作、かゆみ、そして灼熱感を悪化させる可能性があることも示されています。

ヒスタミンを多く含む食品（イチゴ、柑橘類、トマトなど）

ヒスタミンという分子は、多くのアレルギー性疾患において媒体物質として機能します。特に炎症反応や血管の拡張、毛細血管の透過性の増加に関与しています。そのため、ヒスタミンは酒さ患者に見られるほてりや赤みといった症状の出現を促す可能性があります。

シンナムアルデヒドを含む食品（シナモンなど）

シンナムアルデヒドの含有量が高い食品も、酒さの症状を悪化させることがあります。いくつかの研究によると、この分子はTRPA1受容体と相互作用し、 血管の拡張 および赤みの出現を引き起こすとされています。ただし、酒さの発作を誘発するのに必要なシンナムアルデヒドの量については、まだ明らかにされていません。

酒さの症状は、すべての患者が同じように食べ物に対して反応するわけではありません。自分にとって何が適しているかを見極める最善の方法は、食事の内容を詳しく記録した日記をつけ、酒さの発作の頻度や強さを記録することです。