アトピー性皮膚炎とは、さまざまな要因で引き起こされる皮膚の炎症で、年齢を問わず発症する可能性があります。症状が現れた際は、適切なケアや治療を行うことが大切です。この記事では、アトピーの特徴や原因、対処法について分かりやすく解説します。

アトピーについて知っておきたいこと
アトピーとは?
アトポー性皮膚炎は、慢性的に経過する皮膚の炎症性疾患で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。ニキビに次いで多くみられる皮膚疾患であり、特に子どもに多く、6~11歳の子どもの約17%が当てはまると言われています。症状は大人になると自然に治まることもあれば、長引くこともあります。
主なタイプ:
アトピー性皮膚炎
最もよく見られる症状で、遺伝的な体質(アトピー体質)に起因します。皮膚の保護機能に関わるタンパク質(フィラグリンなど)を作る遺伝子に変異があると、肌のバリアが弱まり、水分が逃げやすく、アレルゲン(ホコリや動物の毛など)が侵入しやすくなります。そのため、環境中の刺激に対して過剰な免疫反応を起こしやすくなります。接触性皮膚炎
特定の物質(例:金属、洗剤、香料など)に皮膚が反応して炎症が起きます。貨幣状湿疹
赤く丸い斑点ができるタイプで、原因ははっきりしていません。汗疱状湿疹
手足に水ぶくれができやすいタイプです。栄養欠乏による皮膚疾患
主に亜鉛不足が原因で起こります。
アトピーの症状
アトピー性皮膚炎は命にかかわる病気ではないものの、日常生活に支障をきたすほどの不快な症状を伴うことがあります。
主な症状:
皮膚の赤み・湿疹
顔や首、関節の内側などに赤く熱を持った斑点が現れ、かゆみを伴います。時間が経つと透明な液体を含んだ小さな水ぶくれができ、かきむしることでジュクジュクした状態になったり、皮膚が厚く硬く(苔癬化)なったりすることもあります。強いかゆみ
アトピーの発作時には強いかゆみが続き、睡眠障害やイライラ、疲労などを引き起こします。皮膚の乾燥
アトピー体質の肌は水分を保持しにくく、常に乾燥してつっぱりやすい状態です。水や不適切なスキンケアが乾燥をさらに悪化させることもあります。
アトピーの対処法は?
対処方法は症状や原因によって異なります。
アレルギー性の場合:
原因となる物質を特定・回避すれば、比較的早く改善することが可能です。
アトピー性など体質に起因する場合:
再発を完全に防ぐことは難しいため、毎日の保湿ケアが重要になります。
保湿製品(クリーム・乳液・バームなど)を使って、肌のバリア機能を整えることが基本です。
炎症やかゆみが強い場合:
医師によってステロイド外用薬(軟膏・クリーム)が処方されることがあります。
初期段階で使用することで、炎症を早期に抑えることが期待されます。場合によっては、紫外線治療が行われることもあります。これは、炎症を鎮め、かゆみを和らげる効果があります。
自然派ケア:
ハチミツ、アロエベラジェル、ティーツリーやラベンダーの精油など、抗炎症作用があるとされる天然成分が、取り入れられていることもあります。
冷たいタオルや冷湿布を当てることも効果的です。1回15分程度を目安に、1日3〜4回行うと、冷たさがかゆみをやわらげてくれます。
参考文献
GOLDENBERG G. & al. Eczema. The Mount Sinai Journal of Medicine (2011).
BORRADORI L. & al. Dermatologie et infections sexuellement transmissibles. Elsevier Masson (2017).
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