アトピーは顔や手、肘など、体のさまざまな部位に現れますが、頭皮にも発症することがあります。頭皮に湿疹ができると、他の部位と同様に不快な症状が現れ、とくに「かゆみ」が大きな悩みとなります。では、かゆみをやわらげ、頭皮を落ち着かせるにはどうすればよいのでしょうか?いくつかの対策をご紹介します。

アトピーと頭皮のかゆみ:どうやって和らげる?
- アドバイス①:低刺激のシャンプーを選ぶ
- アドバイス②:やさしく髪を乾かす
- アドバイス③:帽子などを避ける
- アドバイス④:かかないようにする
- アドバイス⑤:冷やしてかゆみをやわらげる
- アドバイス⑥:温泉水やアロマ、フローラルウォーターを活用
- 参考文献
アドバイス①:低刺激のシャンプーを選ぶ
かゆみを防ぐためには、シャンプーの頻度を減らすことが勧められます。髪質にもよりますが、週に1〜3回程度で十分です。香料やアレルゲンを含まない、刺激の少ないシャンプーを使いましょう。アトピー肌や敏感な頭皮の人向けに作られた、皮脂を取りすぎないタイプのシャンプーも市販されています。不安な場合は、皮膚科医に相談して自分に合った製品を選ぶと安心です。
アドバイス②:やさしく髪を乾かす
シャワー後に髪を乾かすときは、熱風の出るドライヤーの使用は避けましょう。熱はかゆみや炎症を悪化させる原因になります。ドライヤーを使う場合は「冷風モード」に設定し、できればタオルでやさしく水分を吸い取るようにしてください。頭皮をこすらず、ポンポンと軽く押さえるように拭くのがポイントです。
アドバイス③:帽子などを避ける
かゆみがあるときは、キャップや帽子、ニット帽などの着用は控えましょう。これらは頭皮をこすってしまい、かゆみをさらに悪化させる可能性があります。また、きつく髪を結ぶヘアスタイルも頭皮に負担をかけるため避けたほうが良いです。
アドバイス④:かかないようにする
「かゆいから掻いてしまう」のは仕方ないと思いがちですが、掻けば掻くほどかゆみはひどくなります。これは“かゆみの悪循環”とも言われています。どうしても我慢できないときは、やさしく頭皮をマッサージするなどして対応しましょう。また、炎症を落ち着かせるパックを使うのもおすすめです。
アドバイス⑤:冷やしてかゆみをやわらげる
冷たさはかゆみを和らげる効果があります。頭皮に冷たいタオルを10分ほど当てたり、氷を清潔な布に包んで当てたりするのも効果的です。ただし、氷を直接頭皮に当てると逆に刺激になるため注意が必要です。
アドバイス⑥:温泉水やアロマ、フローラルウォーターを活用
自然の恵みを活かすのも一つの方法です。温泉水はミネラルや微量元素が豊富で、肌を癒す効果があります。スプレータイプであれば直接頭皮に吹きかけたり、手で軽くマッサージするのもよいでしょう。
また、アロマオイル(精油)やハーブ蒸留水(フローラルウォーター)にもかゆみを抑える作用があるものがあります。例えば、ティーツリーオイル、真正ラベンダーオイル、ローマンカモミールのフローラルウォーターなどは、特に鎮静効果が高くおすすめです。
参考文献
YEUNG J. & al. Diagnosis and treatment of pruritus. The College of Family Physicians of Canada (2017).
LEINS L. & ORCHARD D. Eczema management in school-aged children. Australian Family Physician (2017).
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